美人研鑽

書きたいことを書く。

こはぜのかけ方

こはぜをかける二本の紐は二つともに入れなくても良いらしい。

 

これは最近知って嬉しかったこと。

 

と言うのも、こはぜがきちんとかからない足袋があるのだ。

先出の冬の足袋である。

長いほうが暖かいだろうと4枚こはぜのものを買ったところ、

一番上のこはぜがかからない。どうしてもかからない。

ひっぱってもひっぱってもかからない。

 

これはどうしたものか。

サイズは合っているし、

履いてしまった以上返品は出来ないし。

使わないのは勿体無い。

うーん。

 

下の三つのこはぜはかかっているのだし、

もうここだけ外したままで履いたらどうかしら。

一番上だし、着物の裾に隠れて見えないかもしれない。

 

いやいや、しかし。

ちらりとでも見えようものなら、親切なおばさまが飛んできて言ってくれるだろう。

「こはぜがはずれていますよ。」

そうなったら、公衆の面前でこはぜをかける羽目になってしまう。

着付けの本にも書いてあるように、足袋は着物を着る前に履くもの。

着物を着てからだと体勢的に履くのが大変だからだ。

そもそもかからないこはぜを着物を着た状態で、しかも人前でかけるなんて、

想像しただけで醜態である。

それは困る。

 

どうしたものか、と足袋を見つめていると、

こはぜをかける紐が二本になっていることに気づいた。

いままでなんとなくかけていて気づかなかったが二本ある。

近いほうだけならなんとかかかるかも・・。

もう一度こはぜをぐぐっとひっぱる。

かかった!!

 

よかったよかった。履けた履けた。

これで出かけられる。

 

それ以来、この足袋の一番上のこはぜは紐一本にだけかけて履いていたのだが

二本あるのに一本だけしかかけられないというのは

なんとなく不安でなんとなく後ろめたい。

歩いているうちに外れやしないかなぁ。

私の脚ってやっぱり太いのね。

 

それでもかからないのだから仕方がない、と数年過ごしていたが、

なんと、かける紐は一本でも良いそうなのである。

この紐はサイズ調節のためにあるのだそうだ。

 

なーんだ!

 

たったそれだけのことだけれど私の気持ちは晴れ晴れとした。

だって紐一本でも大丈夫、私の脚もサイズ内とお墨付きがついたのだから。